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デカ盛りの旅 ~益正食堂 白木原店編~

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 今年2回目のデカ盛り。

 ここもそこそこ前から気になってたんですけど、場所的に行きにくくてめんどくさがってたらながらく放置になってしまいました。

 今回は西鉄白木原駅降りてすぐのとこにあります「益正食堂 白木原店」さんに行ってきました。駅ビルっぽい感じの建物の2階にあります。


 お店についたのが1時過ぎぐらいだったと思うんで、そんな混雑もしてないやろなーと思って入ってみると、案の定お客はいないんですが、店員さんがなんかばたばたとお膳を並べていそがしそう。何事か?と思ったらなんかぞろぞろと団体客が入ってきました。どーやら中国人観光客の団体さんがここでお食事をする様子。

 それとは別で席は確保されてたんでそちらに通されました。

 ここのデカ盛りメニューは唐揚げ定食。相撲の番付から小結・大関・横綱とあり、さらに上には店主の名を冠した「みの盛り」、さらにさらにチャレンジメニューでもう1段階上もあるそうな。そっちは要予約だそうですけども。

 今回はみの盛り!といきたかったんですけど、まだちょっとおなかのコンディションが良くなかったんで、横綱でとどめました。

 待ってる間も中国人のご一行様はガヤガヤとお食事をされてましたが、こちらに届いたぐらいのタイミングでもう出ていってたので、だいぶタイトなスケジュールの旅行なんやなーと。

 まぁそんな感じできましたよ。

益正食堂

 2口サイズぐらいの唐揚げがゴロゴロと積み上げられておりましてなかなかの見た目です!数えてみますと13個ありました。これで1274円。

 撮影を済ませて、いただきます!


 衣がカリッとて感じではなく、醤油ダレがかかってて風味がとても良い。肉もやわらかジューシーでちょうど2口で食べやすい。そもそもは居酒屋さんなので味は濃いめな印象ですけどごはんが進みます。

 唐揚げはさほど苦になることなくムシャムシャ食べれたんですが、意外としんどかったのはキャベツ。こいつが思ったより難敵でした。量が多くて噛むのが疲れました。

 途中でくじけそうになりまして、みの盛りにしなくてよかったと思いつつ、最後はほぼキャベツを食べ続けてなんとか完食です。



 この日は団体客が来てたのでやってなかったですが、定食を注文するとお惣菜バイキングが食べ放題だそーなんで、それを食べにもっかい来たくなりました。


お店情報はコチラ
↓↓↓
福岡県大野城市白木原1-7-5 J-クリスタル2F
益正食堂 白木原店

今まで行ったお店のマップはこっち
↓↓↓
デカ盛りマップ



デカ盛りの旅 ~いきなりステーキ イオンモール筑紫野店編~

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 この日はお肉がとても食べたくて、お昼ぐらいにはここに行くと決めていた!

 今回は東京で話題の立ち食いステーキが福岡初出店!の「いきなりステーキ イオンモール筑紫野店」さんに行ってきました。

 イオンモールが去年11月にリニューアル増床オープンした時にこのお店もできて、休日やとすごい行列ができてると聞いてたので、平日の夜に行ってみたら狙い通り全然人がいなくてあっさりはいれました。

 ここのお店の特徴は量り売り。肉の種類それぞれに1グラム何円と決まっていて、食べたいグラムを店員さんに伝え、その分を店員さんが目の前でブロックからカットしてくれるという眼でも楽しませてくれるお店。

 今回はリブロースステーキを500gで注文。端数も含め517gになりました。

 立ち食いステーキで有名かつ話題になりましたが、この店は普通にテーブルで座って食べれます。立ち食いカウンターもあるけどそっちの方がスペース的に少ないし。まぁ場所的に家族連れが多いでしょーからその辺への配慮かと。

 テーブルで座って待ってましたらきましたよ。

いきなりステーキ

 1枚モノの肉の塊ってやっぱいいですね(笑)なんつーか本能を刺激される感じとでも言いましょーか。これで3351円。んーまぁ牛だからこれぐらいはしゃーないかな。

 撮影を済ませ、いただきます!


 表面はしっかり焼き色ついてますが、中はレアで肉の味がしっかり。コショウの味付けと専用のソースがこれまたウマス!しかし個人的にはもーちょい焼いてる方が好きかな。大きいのを頼む場合はミディアムぐらいで焼いてもらう方がいいかもしれませんね。

 サイドメニューでサラダとかライスとかあったんですが、肉でそもそもお値段がいってたし、とにかく肉を食べたかったので、肉のみの注文だったのでひたすらに肉を食い続けました。赤身の肉なんでさほど重くないので前にも別で食べましたが、そーでもない感じでした。完食です。



 いきなりステーキはあちこちにできてて、大阪のミナミにも法善寺横町のあたりとなんばの府立体育館のあたりにもできてるので、次はそっちのお店で、できればスポンサー付きでもーちょい量増やして食べてみたいなー(笑)


お店情報はコチラ
↓↓↓
福岡県筑紫野市立明寺434-1 イオンモール筑紫野 1F
いきなりステーキ イオンモール筑紫野店

今まで行ったお店のマップはこっち
↓↓↓
デカ盛りマップ

デカ盛りの旅 ~2016年1~7月のダイジェスト~

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 だいぶ永らくのご無沙汰でした。とりあえずデカ盛りのダイジェストです。

道頓堀肉劇場(食べログ)
道頓堀肉劇場

大劇場丼大盛 肉増し 1280円

 ハラミ、鶏せせり、豚バラ、カルビ?の4種類の焼肉が載った丼。ごはんは特盛まで無料。肉増しは2、9、29日は無料です。
 量的には特盛でも全然食べれたな。ハラミが一番うまかった。


スピリッツ(食べログ)

スピリッツ

特盛中華定食 980円

 えびの天ぷらの盛りっぷりがすごい。そして唐揚げがカタめに揚げられててガリガリ食べる感じがとてもいい。何よりこのコスパですよ。この量で1000円以下てのがすばらしい。


モーデン(食べログ)
モーデン

わらじナポリタンセット 大盛 900円

 昔懐かしいナポリタン。ケチャップが甘めで酸味に弱いあたしとしてはとても好みの味。
セットはコーヒーも付いててこの値段はナイスなコスパでした。


喝鈍 法善寺横町店(食べログ)
喝鈍

かつどん 特盛りコース 1150円

 法善寺横丁の中にあるお店。ごはんが600gにカツが2枚。だしの利いた甘めのカツとじがすげーうまし!つゆだく気味なのでサクサク感はないけど、これはこれでいいね。


味よし(食べログ)
味よし

かつ丼 大 850円

 デカ盛りとして量的には少ない部類かな。初心者向けというかこれを食ってまだ余裕あるぐらいでないとデカ盛りは無理やな(笑)
 濃いめで九州特有の甘めな醤油だし。カツも小さく切ってくれてて食べやすかった。何よりお店が昭和感あふれる感じだったのでよかった。
 女将さんの体調のぐあいで今は平日の昼3時までしか営業されてないそうです。


みゆきちゃん定食(食べログ)
みゆきちゃん定食

スペシャル海鮮丼定食 1000円

 北海道来たらやっぱ海鮮でしょ!てことで調べたら、ここが出てきました。
この盛りで魚の煮付けと小鉢にみそ汁まで付いてこのお値段はかなりのコスパです。
 残念ながら大盛と言うたのが伝わってなくて普通盛が出てきちゃいました。まあしゃーない。


BARCA 浜松町店(食べログ)
BARCA

ナポリタン 大(600g) 850円

 ちょうどいいぐらいの酸味と甘味のケチャップソース。ちょい炒めすぎちゃうぐらいのコゲも風味として楽しめる。
 量はこの上に800gのジャンボもあるけど、それでも全然食べれたな。


伝説のすた丼屋 ゆめタウン久留米店(食べログ)
すた丼屋久留米

すた丼 肉飯増し 880円

 ゆめタウンのフードコートだからか、増し増しとか際限なくデカくできる対応はメニューに載ってなかったんでできひんのかな?と思いきや、食べログのレビュー見たらできるみたいです。まあやらんけどさ(笑)
 ニンニクの効いた豚肉がガツンとくる感じはまさにスタミナ丼!て感じ。卵は味変要員で後でかけたらよかったなと思た。


今まで行ったお店はコチラ
↓↓↓
デカ盛りマップ

ジャンプ16年51号感想

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 ほったらかしてたら約1年ぶり?(笑)まぁいい。久々ですがジャンプ51号感想です。

 

※ネタバレ少しありなので閲覧注意でお願いします

 

「デモンズプラン」

 新連載です。洋風ファンタジーバトルですかね?ここ数年はジャンプでは洋風ファンタジーは始まっては打ち切られを繰り返してたんですけど、「ブラッククローバー」が久々に当たった感じ。

 

 導入はまぁこんなもんかな?「欲」がテーマになるようですが、ひとまずは3話までですね。がんばってほしいです。次回はヒロイン的存在の登場かな?

 

 

「ブラッククローバー」 

 今ジャンプ編集部が一番推してるであろう作品。まぁアニメ、ゲームなどメディアミックスしやすい題材なんでねぇ。

 

 連載開始当初から比べればだいぶ人物の表情が増えましたね(笑)今回はファナの魔法が良い迫力で描けてたので、勢いで読ませる力はあるんですよ。ジャンプではけっこー大事。

 

 

「トリコ」

 その勢いで読ませる代表格だった作品もついに終了。今年は長期連載作品が多く終わる年になってしまいましたなぁ。

 

 先週から過去の食材をフルコースに絡めながらダイジェストで紹介していき、最終回は結局規模がデカすぎてなんのこっちゃわからんけどとにかくすげー!てな感じでトリコらしく終わったように思います。

 

 非常にジャンプらしい「細かいことはいいんだよ!ドーン!!」な感じで考えずに読めて楽しかったです。島袋先生お疲れ様でした。

 

 

「ハイキュー」

 いよいよ始まった春高バレー。それぞれのキャラがそれぞれのカタチで試合に臨もうと準備をしていくワケですが、まさかのお約束のハプニングと。

 

 いい緊張感。それをなんとか和らげようとする監督やら顧問の先生の心使いがいいですね。

 

 

「約束のネバーランド」

 長期連載作品が終わり、新しくいろいろ連載が始まるわけですが、どれもこれもイマイチ振るわぬ中、コレはジャンプぽくない感じがすごく際立ってて面白いです。ジャンプはあまりミステリーサスペンスが題材のはウケないのでね。

 

 ハウス脱出に向けての準備、次は外のリサーチ。しかしそれもうまくいくのやら??

 

 ここ最近は、おぉそうきたか!と思わせる予想外の展開の繰り返し。今週もあんだけ言うといて「行かへんのかい!」てなりました。仲間が増えれば心強いけど統率も取りづらくなってくる。さてさてどーなる?

 

 

「左門くんはサモナー」

 今のジャンプの中であたしが一番推してるマンガ。ここ最近は普段と違うバトル展開をやっておりましたが、そのシリーズもいよいよ大詰め。

 

 左門くんは基本ギャグマンガなのでバトル展開中心のシリーズでしたがかなりテンポよく進んで、でもその隙間隙間でギャグを入れ込んでらしさを損なわない。器用だなーと思いました。これでまた元に戻ってどうかなー?

 

 

「火ノ丸相撲」

 左門くんに次ぐ今ジャンプで推してるマンガです。

 

 ホタルの何が何でも勝ちたい!という気持ちを背負い、國崎がその思いに応える。いやー胸アツでしたね。

 

 題材が相撲なんでねぇ。その辺がなかなかメディアミックスにつながらないのかな?アニメで見たいけどなぁ。

 

 

「青春兵器ナンバーワン」

 どーかなぁと思いながら見てる作品。前作「焼野原塵」の主人公を変えてやり直してる感じ。前作もキライではなかったんですが、なんせ主人公の塵のキャラが世界観に合ってなくてね。今回のはまぁ見た目も含めて良くはなってると思います。

 

 今回は新たなナンバーズが登場。まぁこうなるわな。きっとNo.7がナナとかで女の子のキャラが出てくることでしょう。たぶんツンデレツインテールと思います(笑)

 

 先々週ぐらいに少し絵が荒れてたので大丈夫か?と思いましたが、今週は戻ってたので一安心。ギャグマンガは今どれもいいのでそれに負けないように頑張ってほしいです。

 

 

「背すじをピンと」

 ラテン部門がスタートするも、八巻・椿組がなかなか噛み合わない。合宿中からなんとか折り合いをつけようとしてたんですが、どーにもうまくいかず。まぁ結局このペアはこーなっちゃいますよね(笑)

 

 このマンガはホンマに魅せ方がうまい。それこそ勢いで読ませる力がある。競技ダンスていうなんとなく難しそうな題材ですが、それを感じさせない勢いと魅せ方と展開のうまさがありますね。ラテン部門どうなりますやら。

 

 

「食戟のソーマ」

 まぁさすがにここはご都合主義で全員通過とはいかんよなぁ。しかしまぁこの展開やとそうなるしかないよね。

 

 ずっと圧倒的不利な状況を無理やりひっくり返してきましたが、ここからどう持ってくのかね?元十傑の先輩方が助けてくれるのかな?

 

 

 先週も休みでしたが「ワールドトリガー」が作者体調不良のためしばらく休載とのこと。今までもちょいちょいありましたからなぁ。やはり週刊連載てのは過酷なんですねぇ。早く戻ってきてほしい。

 

 んで来週からは、もはや鬼門と化しているサッカーマンガがスタート。ここ数年それなりの頻度でサッカーマンガが出ましたがどれも1年持たずでしたので、そろそろ残ってほしい。バランス的にももう1本ぐらいスポーツマンガあってもいいと思うし。

 

ジャンプ16年52号感想

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 ジャンプ52号感想です。去年は53号まで出てましたが今年はここまでみたい。1年早いなぁ。

 

※一部ネタバレありなので閲覧注意でお願いします

 

「オレゴラッソ」

 新連載です。永らくジャンプでは鬼門となっているサッカーマンガ。どこまでいけるのやら。

 

 主人公はテコンドーのジュニアチャンピオン。仲間をバカにされたことに怒り暴力沙汰を起こして3年間の大会出場停止を言い渡される。そこから高校入学を機に違うことを始めようというのが導入部分。

 

 まったくの素人が身体能力を活かしてグイグイうまくなって活躍するのはスポーツマンガ、特にジャンプではよく見られるパターン(スラダン、アイシーなど)。今回のはテコンドーの蹴りをサッカーで活かすという流れにいくようですね。

 スポーツマンガは最近戦術的な細かい部分が要求されるのが多いですが、ジャンプは黒バスとかテニプリみたいな能力者スポーツとして生き残る場合もあるので、この作品がどちらにいくのか。1話の雰囲気では後者のニオイがしますけども。てかそもそも鬼門と化してる流れに飲み込まれてしまうのか。

 画力はあると思いますが、3話までは準備期間が取れるので丁寧に描けるからあんましアテにならん。4話目からどうかですね。印象は悪くないと思うのでサッカーマンガの悪い流れを打破してほしい。

 

「ハイキュー」

 ここにきてまさかの潔子さん回。前振りはあったけどもね。

 

 マネージャーとして部を支える潔子さん。「それがどうした」からの柵を飛び越える見開きの潔子さん。いやはやなんとも美しい(笑)そして仁花ちゃんとのアイコンタクト。グッときましたね。これも前振りのお風呂でのシーンがあってこそですよ。

 潔子さんにあそこまでしてもろたら、そら日向も5mぐらい跳べそうになるってもんやで。

 

「僕のヒーローアカデミア」

 なんやろね。思考と行動に関してはかっちゃんの方がとてもシンプルに疑問に思ったことを確認したい、それを試したい、てだけやのに、かっちゃんがすごいめんどくさいヤツに映ってる。

 

 ここまでバレてんならかっちゃんにだけでもバラせばエエやん。まぁバラしたとてかっちゃんは仕掛けてくるんやろけどさ。個人的にデクのちょいちょいめんどくさい感じがあんまし好きになれんのよなぁ。これがデクの味といえば味なんですが。まぁ作者も主人公・ヒーローぽくないキャラとしてあえてやってるんでしょうけどね。

 

「デモンズプラン」

 内容はとりあえず置いといて。完全にワンピのサンジの「クソお世話になりました!」やんか(笑)それしか残ってない。

 

「食戟のソーマ」

 もはや子供ではどーにもならんとなっていきなりお父さんが出てきたよ。

 

 4人チームで戦うてことはコース料理を一品ずつ作るのかな?中華一番でそんなんあったよね。前菜・スープ・メイン・デザート辺りかな?偶数やから一品ずつじゃなくコース料理として評価するのかな?それかえりな父と創真父も加わって5人で対決とか?

 まぁここらで対戦方法も新しい見せ方せんとね。

 

「左門くんはサモナー」

 人気投票はてっしーの圧勝。まあそやわな。しかし毎度いろんな作品の人気投票見ると総数でどの程度の人気なんかが露骨に出るよね。左門くんはまあこんなもんでしょ。

 それで考えたら幽遊白書とか1位2位の飛影・蔵馬それぞれで万単位の得票やったのは、当時の人気のえげつなさが見える。

 

 んで本編はバトル展開を半ば無理やり決着(笑)作者の次にいきたい気持ちがありありと伝わってきました。

 人気投票で1位になれんかったらトンガリをかけると言ってまんまと負けた左門くんの来週はどうなるのやら。

 

「背すじをピンと」

 八巻パイセンの過去回。能力があるが故の悩みですなぁ。まぁまさにハマったてのが一番適切な表現なんでしょね。

 

 来週はそしたら秋子さん回なのかな?今回の大会は各先輩方のキャラの掘り下げシリーズになってますね。まぁダンスの説明とつっちーとわたりちゃんを軸に進めてきたからしゃーないんやけどさ。ブラクロもこーいうシリーズをしてほしいもんやで。

 

「ゆらぎ荘の幽奈さん」

 ニセコイが終わってからラブコメ枠を支える存在として安定してきてますが、今週はだいぶ攻めてましたね(笑)元々からそーやったけど、ラブコメではなくエロ枠になってきてますよ(笑)まぁそれはそれでいいんですけども。

 

 画力があるだけに破壊力が高いですね。まぁクレームが入らん程度にやってほしいです。

 

「火ノ丸相撲」

 チヒロが勝って流れを食い止めた。そして次のユーマの番ですが...。

 

 チヒロの「ゾッ」からのページめくってのギャップがやられました。ガチガチやないか(笑)

 

 ここまでの作中でも語られてるけども、ユーマはユーマでいろいろ背負ってるものがあるし、積み上げてきたものもある。だからこそいろいろ考えてしまう。まぁ生きてりゃいろいろありますよ。

 

「歪のアマルガム」

 えー、仲間の二人そんなあっさりやられんの?弱くね?それともこれは打ち切りフラグですかな?

 

 前作から絵のタッチを話の内容に合わせてかなり変えてきてましたが、なんとなく無理してる感じがするというか、合ってない感じがする。そしてなによりストーリーがジャンプでやるには重たい。さらに妖怪を題材にしてる時点で、ぬらりひょんの孫を超えないといけないというのがこの作者にはハードルが高すぎる。

 

 ジャンプ+ならこれぐらいの重たい感じでもそれなり受け入れられたかもやけど、本誌ではちょっとなぁ...。まぁどうなりますやら。

 

「青春兵器ナンバーワン」

 これも7話にしてこの掲載位置かぁ。

 

 いかんせん前作のやり直し感が否めないので、それから画力が上がってるとか新しい魅せ方にトライしてるとか、進歩してる部分があればよかったんですけども、そーいうのが感じられんのよなぁ。題材はギャグマンガとしては悪くないと思うんですけどねぇ。

 

 前作の後半で良い感じだったラブコメというか人間ドラマにもっと重心のせた感じにした方がよかったんではないかなぁ。ラブコメ枠は空いてるんやし。しかしそれをやるには絵のタッチが違うかぁ。

 

「レッドスプライト」

 なんか良さを出す前に打ち切られた感じですね。ちょっと惜しい気がする。

 

 前作の重たいストーリーと絵はかなり軽くなって画力も上がってた。ストーリーもまぁ題材としては悪くない。しかし主人公のキャラがなぁ。なんかしっくり来ない。ルフィとナルトを混ぜたような既視感なのか?微妙に古風な言葉使いなのか?なんか好きになれない。

 

 原作つけて作画に専念したら、けっこーいい線いくと思うんですよね。一応まだ2回打ち切りなので、あと1回はチャンスあるかな?でもこれはバイバイジャンプさせずどーにかまた戻ってきてほしい。ガンガン系とかファンタジーバトル強い他誌いったらたぶん当たる気がする。なので次回作期待してます。

 

 

 来週からは17年の1号となるようで。16年のジャンプは非常に変化の多い年になりました。やはり一番はこち亀の終了。そしてブリーチ、暗殺教室、ニセコイ、トリコとアニメ化した人気作が立て続けに終わっていきました。

 

 しかしなかなか後続が追いついてなくて、ハンターハンターが復活することもなけりゃ、ワールドトリガーがしばらく休載になるなどしんどい流れがきています。

 

 来年はワンピースが20周年イヤーということで、それ中心に盛り上げていくようです。久々に背表紙がつながるらしいのでこれは楽しみです。

 

 一年早いなぁ。

 

 

マンガの中の鍼灸 ~イントロ~

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 2015、2016年とマンガの中に出てくる鍼灸について、日本マンガ学会てとこで発表をさせてもらいました。

 

 しかしまぁ発表した後、特に2016年の東京での発表の後、「これ、何のためにやってんねやろ??」て思ってしまい、この場所、このやり方で鍼灸についてのことを発信しても、自分の思ってる感じでの鍼灸の普及にはつながらんなと思い、なんかもっと他のやり方ないかなー?と考えてました。

 

 学会で発表した時に思ったのは、普通の人達てのは基本的に鍼灸に興味すらないんやなと。生活の中にも、選択肢の中にもないんですよ。まぁそーでもなきゃ鍼灸の年間受療率が5~8%みたいな低い数字にならんよね。それだけ鍼灸は世間一般の人達に選ばれてないてこと。

 

 なのでいきなり「鍼灸受けてください!」てのはハードルが高すぎる。見たことない食べ物をいきなり出されて「食べてください!」言うても食べませんよね?

 

 まずすべきことは「鍼灸を知ってください!」からですよ。よーわからん食べ物も何でできててどんな調理のされ方しててどんな味付けされてるのかてのがわかれば「ほんならちょっと食べてみよかな?」てなると思うし。

 

 そんなワケで、鍼灸を知ってもらうキッカケとして、鍼灸が出てくるマンガを紹介しながらイメージだけでも持ってもらえればなと思います。

 

 まぁ学会で発表した内容を小出しにしていく感じです。興味があればその作品を読んでもらえるとマンガ好きとしてもうれしいです。ものによっては入手困難なものもありますけどね(笑)

 

 てことでボチボチやりたいと思います―。

 

 

マンガの中の鍼灸 ~ブラックジャック~

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 マンガに出てくる鍼灸描写を紹介していくシリーズ。1つ目は何がエエかなーと考えまして、やっぱ有名な作品がいいかなと思いまして、初回は手塚治虫の「ブラックジャック」にします。

 

 言わずと知れた有名作品。何度もアニメ化や実写化された作品。最近ではスピンオフ作品なんかがアニメ化されたりと、いまだに根強い人気のあるブラックジャックですが、この作品にも鍼が出てきます。

 

 登場するのは単行本11巻「座頭医師」、12巻「湯治場の二人」というお話。

 

 で、どんな感じの描写かというと、まず「座頭医師」。

 

 盲目で無免許のはり師である琵琶丸というキャラが、無料で鍼治療をして治してまわっているのが世間で話題となる。

ブラックジャック 11巻 P.30

 

 琵琶丸はすぐに手術や薬で患者を治したがる医師に対して批判的であり

ブラックジャック 11巻 P.33

 

「人間のからだなんてものはもともと切ったりすてたりできるしろものじゃねぇ」

「けものや鳥をみな 病気になったって手術なんかしねえよ みんな自分の力でなおすんだ そういうもんさ」

 

 とブラックジャックに語ります。

 

 しかしその後、ブラックジャックの患者の女の子に対し、鍼治療を行うと、ショック症状を起こさせてしまう。

ブラックジャック 11巻 P.43

 

 その患者は、かつて医師に注射を打たれた痛みにより不安神経症となり、身体に針を刺されることを過剰に怖がるようになっていた。そこに琵琶丸が鍼をしたことでショック症状を誘発してしまった。

ブラックジャック 11巻 P.44

 

 幸いブラックジャックが急いで駆け付け、鎮静剤を経口で飲ませ事なきを得る。

 

 その日の夜、琵琶丸がブラックジャックの家を訪れ、カリを返すということでブラックジャックに鍼治療を行う。左の太衝あたりに鍼を打ち、

ブラックジャック 11巻 P.47

 

「・・・ウム・・・・・・手ごたえあり」

「これでもう一生腸は大丈夫だよ」

「あばよ・・・またいつか会いやしょう」

 

 と言って琵琶丸は去っていく。琵琶丸すげー(笑)

 

 ここでありがたいのは、鍼を打ったから悪くなったワケではないことをちゃんと描いてくれていること。

 

 どーしても鍼てのは痛そうとかコワイとかネガティブなイメージを持った人が多いのでね。ちゃんと問診をしなかった琵琶丸のミスではあるんですが、全体としては鍼は効果があるものとして描いてくれているお話でした。

 

 

 そしてもう一つの「湯治場の二人」

 

 山奥に住む刀鍛冶の馮二斉(ひょうじさい)に手術で使うメスのメンテナンスをしてもらいに向かうブラックジャック。途中の温泉地で琵琶丸に遭遇する。琵琶丸も自らの使う鍼のメンテナンスを馮二斉にしてもらいに行く途中だった。

 

 馮二斉が鍛えなおしたメスで庭に生えたひょうたんを切ると真っ二つになり、それを合わせると元通りくっついてしまう。るろ剣でもあったねこの描写。

 

 そして琵琶丸の鍼を鍛え終わると馮二斉は倒れてしまう。

 

 琵琶丸とブラックジャックがそれぞれ救命処置を行うが、結局亡くなってしまう。

ブラックジャック 12巻 P.108

 

 その後馮二斉が残した遺書が見つかり、そこには

 

「天地神明にさからうことなかれ おごるべからず 生き死にはものの常也 医ノ道はよそにありと知るべし」

 

 と書かれていた。

 

 それぞれ違うスタンスで人を治療する琵琶丸とブラックジャックは、馮二斉の最後の言葉に考えさせられる。

 

 この話は鍼がどうのというよりは人間の命に対する考え方がテーマの話でした。ブラックジャックはこーいう話が多いですよね。

 

 どちらも琵琶丸による鍼。鍼は鍼柄もなく、刺し方は押手もなしでプスっと刺す撚鍼とも言えない刺し方。これだけ見るとちとコワい。

 

 しかし治療としては、琵琶丸がひとつやらかしてはいるものの効果があるものとして描かれていますね。

 

 

 ぜひとも興味のある方は本を手に入れて見てもらいたいですが、いかんせんブラックジャックは古い作品なので画像の単行本版はなかなか入手は難しいかと思います。

 

 しかしブラックジャックはいろんな形で再発売されてて、特に文庫版でかなりの数が出回ってるのでそちらであれば案外と手に入ると思います。ウィキペディアによりますと「座頭医師」は文庫版2巻、「湯治場の二人」は5巻に掲載されてるそうです。

 

 ブラックジャックは集めるのにかなり苦労したのでとても思い入れのある作品ですね。その辺の話も別でしたいです。

 

 てなわけで、こんな感じでこれから鍼灸が出てくるマンガをボチボチ紹介していきたいと思います。

 

 

マンガの中の鍼灸 その2 ~スーパードクターK~

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 鍼灸が出てくるマンガを紹介するシリーズ。その2は週刊少年マガジンで連載されてました「スーパードクターK」をいきたいと思います。

 

 現在もイブニングで続編である「K2」が連載中。なんでしょう?「ハードボイルド医療マンガ」とでもいいましょうか(笑)凄腕の医者の一族であるKAZUYA、通称ドクターKが様々な病気やケガを抱えた患者を治していく。その名は世界的にも知られており、時には外国の要人の治療をしたり、宇宙で手術したり、後半はまさかの高校の保健室の先生になったり、シリアスありバトルありギャグあり恋愛要素もちょっとあり、なかなか盛りだくさんです。

 

 作中にはいろんな病気が出てくるのでけっこう勉強にもなります。大学の同期のやつは「試験勉強や」と言って試験の前日にこれを読んでて、たまたまですけど作中で出てきた病気が試験に出るていうミラクルが起きるてゆーね(笑)

 

 で、本題いきましょう。そんなドクターKシリーズにも鍼が出てきます。

 

 5,9,15巻

 

 この3つのお話では鍼麻酔が出てきます。

 

 5巻では顔に酸をかぶってしまった七瀬に植皮手術を行うために、

スーパードクターK 5巻 P.11

 

9巻ではヘリコプターの墜落事故に巻き込まれひどい火傷を負ってしまったカートに対してこれまた植皮手術を行うために、

スーパードクターK 9巻 P.159

 

 そして15巻ではたまにやるK一族の先祖の話で、江戸時代にとある地方の殿様の影武者を仕立てあげるべく、先祖である一範(かずのり)が整形手術を行うというもの。

スーパードクターK 15巻 P.158

 

 で、ここで問題なのが鍼麻酔のやり方。

 

 通常鍼麻酔てのは、いわゆる電気鍼、鍼に電気を通して痛覚閾値を上げて痛みを感じにくくするというもの。わりと強い電気を流し続けないと鎮痛効果が得られません。

 作中に出てくる鍼麻酔は首のあたりにどこからともなく「ピキュン!」と出してきた鍼(というよりは針)をプスっと刺すと鍼麻酔が完了します。

 

 ツッコミどころ満載ですね(笑)

 

 鍼刺しただけでは麻酔効果は出ないし、意識レベルを下げる鎮静効果は鍼麻酔にはないので、これは完全に誤った描写なんですよね。

 

 まぁツッコんだら負けみたいなトンデモ展開がある作品なので、「細かいことはいいんだよ!」ていう大きな心で読みましょう(笑)

 

 

 そして次が、鍼がメインとなる話があるんですよ。それが27巻「鬼は外」というお話。

 

 KAZUYAの友人である稲葉という鍼医(作中の表現であり、稲葉がはり師なのか医師なのかはわからない)が、坐骨神経痛と診断した患者に鍼をすると、呼吸困難と全身痙攣を起こすショック症状のような状態になってしまう。

スーパードクターK 27巻 P.38

 

 稲葉はどうしていいかわからず、KAZUYAに助けを求め、事なきを得る。KAZUYAの見立てでは、

スーパードクターK 27巻 P.39

 

「体調不良なうえに金属に過敏だったようですね まれにあるんですよ これなら大事にはいたりませんから大丈夫」

 

 んー、鍼あたり?もしくは金属アレルギー?いや金属アレルギーなら皮膚所見が出るか。どっちにしろこれは稲葉が問診や触診などの段階で確認しながら、刺激量などを考えなければいけないミスですね。

 

 そもそもこーいうことは鍼をやれば起こりうることで施術上のリスクとして教科書にも載ってることなので、「そ・・・そんなことが!?」とか言うてたらダメですよ(笑)

 

 そんなわけで今まで自分の腕を過信していた稲葉はそれ以来まともに鍼を打てなくなるが、KAZUYAの助けと息子の励ましにより、鍼医として復帰することを誓う。

 

 

 稲葉が行なう鍼は、鍼管を使った管鍼法。のわりには鍼はだいぶ長くて鍼柄がだいぶ出てる状態から切皮してますけどね。まぁ前述の鍼麻酔に比べりゃマシですよ(笑)

 

 なんかこんな感じの話あったよね?と思った方いるかと思います。

 

 そう、前回紹介したブラックジャックの話とだいたい同じなんです(笑)

 

 そもそもこの作品はかなりブラックジャックのオマージュが入っており、第1話なんかもかなりそっくりです。気になる方はぜひ読み比べていただきたいです。

 

 

 さらにあともう1つ。これは「スーパードクターK」の続編「DoctorK」での鍼の描写。

 

 こちらの8巻

 

 この中で、これまたK一族の先祖でKAZUYAの祖父にあたる一宗(かずむね)が第二次世界大戦中の旧ソ連でシベリア抑留され強制労働させられ体調を崩した日本兵に対し、

 

「熱を下げるだけならなんとかなるかもしれん...」

 

 と言って隠し持っていた鍼で首の前の方(喉頭隆起付近?)に鍼を刺し、軽く旋撚(刺した鍼を回転させる手技)する。

DoctorK 8巻 P.153

 

すると、

DoctorK 8巻 P.154

 

「ありがとう...なんだか...楽になってきたよ...」

 と体調が回復する。

 

 これは場所的に頸動脈洞刺鍼かな?自律神経に働きかけるので、解熱効果もなくはないか?

 

 こーいう薬も手術器具もないというような状況では、尖ったもので皮膚やツボを刺激したり、体を温めたりすることで治療効果が得られる鍼灸てのは便利ですね。

 

 まぁこのマンガではビルの崩落現場で割った一升瓶の破片をメス代わりに手術したり、山の中で酒から麻酔薬を精製して手術したりしますけどね(笑)そーいうのもこの作品の魅力ですなぁ。

 

 一宗も管鍼法で刺入してました。鍼柄ないから切皮の弾入の時に指刺さって痛そう(笑)

 

 

 現在連載中の続編「K2」では今んところ鍼灸は出てきてませんが、漢方薬の話やら柔道整復師の話は出てきてるので、近々出てくることを期待してます。

 

 で、入手の具合ですが、この作品もブラックジャックほどではないですが古い作品なので、単行本はなかなか入手は難しいかな?ブックオフとかでたまに飛び飛びであったりはしますけど。こちらも文庫版が出てるのでそちらでも探してみるとあるかもしれません。

 

 


マンガの中の鍼灸 その3 ~キャプテン翼 ワールドユース編~

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 マンガの中の鍼灸。今回は世界的にも非常に人気の高い「キャプテン翼」をご紹介したと思います。

 

 サッカー界において世界のスーパースター選手も憧れ、作中の必殺シュートをマネしたり、実際にJリーガーが再現した動画がアップされたり。何よりこのキャプテン翼がなければ日本のJリーグ発足は10年は遅れたのでは?とも言われ、続編で主人公の大空翼がポルトガルへ行くという話が出ると、「ぜひツバサを我がチームに!」とFCバルセロナとレアル・マドリードの当時のオーナーが作者に手紙を送ったという逸話もあるぐらいの作品です。

 

 ここではマンガの話ではなく出てくる鍼灸の描写がメインなので、詳しい内容は各自でググっていただきたいと思います(笑)

 

 

 で、このキャプ翼で鍼が登場するのは、続編にあたる「ワールドユース編」です。このシリーズのアジア予選にて、中国代表のエース肖俊光(しょうしゅんこう)が右足に鍼をした状態で登場します。

 

キャプテン翼 ワールドユース編 9巻 P.58-59

 

 ここで注目したいのは、肖の鍼が刺さった足ではなくまわりの観客のリアクションです。

 

「な・・・なんだこいつは」

「ゲッなんだこりゃ」

 

 と肖に対して怪訝なリアクション。会場はインドネシアのスタジアムということですが、一様に「なんかやべぇやつがいんぞ」的な視線が注がれています。まぁ観客席にこんなやついたらそらそーなりますけどね(笑)

 

 この肖というキャラ、なぜ右足に鍼をしてるかというと、こいつの必殺シュートが「反動蹴速迅砲」という、相手が打ったシュートを超至近距離で蹴り返すといういかにもキャプ翼らしいもの。これを韓国のエース車仁天(チャインチョン)に対してやったワケです。

 

キャプテン翼 ワールドユース編 9巻 P.56-57

 

 これで肖も車も二人ともケガをしてしまうんですが、

キャプテン翼 ワールドユース編 9巻 P.62-63

 

 鍼治療の効果もあってか、試合に復帰できるほどまで回復している肖に対し、まだ松葉杖をついている状態の車。この辺は鍼が効果的であるというイメージが見てとれますね。

 

 あとはまぁこーいうシーンも...。

 日本戦の出場に向け、アップを始めるために鍼を抜くんですが、

キャプテン翼 ワールドユース編 10巻 P.12-13

 

 いや、マンガ的演出としてはとてもカッコイイんでいいんですけども、衛生的に地面に刺しちゃダメでしょ(笑)

 

 肖自身がはり師の免許は年齢的に持ってなさそう(ユースなので18歳以下)ですが、自分で自分に刺してるようなのでその辺はまぁいいでしょう。そもそも中国人なので日本のあはき師法は適応されないしね。

 

 

 肖の鍼の刺し方はそのままプスっと刺してる感じ。鍼管などは使ってません。まぁ中国では鍼管使わない方が多いようですし。

 

 このようなスポーツの分野でも鍼灸はとても重宝されています。プロスポーツチームのメディカルトレーナーの約70%は鍼灸師の免許を持っているとも言われていますし、近年様々な競技で問題となっているドーピングに関しても、鍼灸治療は影響なく痛みを抑えたり、コンディションを整えたりできるので、むしろ日本国内よりは海外での方が鍼灸を行なっている選手が多いぐらいなんじゃないでしょうか?

 

 

 ワールドユース編は手に入らないかもしれませんね。古本屋ではあまり見ないです。最初のシリーズは再発売されたりして見かけますけども。サッカーW杯の時になるとサッカー熱が上がるので、その時なら本屋さんにあるかもしれません。

 

マンガの中の鍼灸 その4 ~SIDOOH -士道-~

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 マンガの中の鍼灸シリーズその4です。今回はヤングジャンプで連載されてました「SIDOOH -士道-」です。

 

 史実とフィクションを織り交ぜた幕末を舞台に、雪村翔太郎と源太郎の兄弟が時代に翻弄されながら生きる物語です。

 

 内容はひとまずおいといて、このマンガに登場する鍼灸を紹介しましょう。

 

 まずは1巻。この物語のラスボスとなる白心郷の首領である瑠儀(るぎ)が、風呂に鍼を刺した状態で風呂に入ってるシーン。

SIDOOH -士道- 1巻 P.194-195

 

 鍼刺した状態で風呂入るとか衛生的にどーなの?ていうツッコミはさておき(笑)、インパクトとしてはなかなかパンチの利いた登場の仕方です。

 

 瑠儀はなかなかイカレたキャラなので、その初登場シーンとしてはミステリアスな雰囲気を演出するために、この全身に鍼が刺さってるのは非常に効果的かと。

 

 ひいては鍼ってのは不思議なイメージがあるからこそこの描写が成り立つんではないでしょーか。

 

 

 続いて8巻。

 

 翔太郎と源太郎は半ば騙される形で白心郷に入信させられてしまうんですが、長くなるんで割愛しますが、なんしかいろいろあってその強さを認められて瑠儀の部下として使われるワケですが、ここでさらにいろいろあって瑠儀に裏切られ、仲間とともに会津に逃れます。いろいろあってのとこはぜひ読んでください(笑)

 

 そして瑠儀を打ち倒すため会津で生活をすることになるんですが、ここで仲間の百舌(もず)姉さんがお金を稼ぐために鍼灸院を始めます。

SIDOOH -士道- 8巻 P.144、148

 

 この百舌姉さんがなんしかカッコカワイイんですよねぇ(笑)

 

 話逸れますが、個人的に歴代のマンガヒロインの中でも余裕でベスト10に入るぐらい非常に魅力的なキャラです。見た目もさることながら、とりあえず戦闘能力的にも強いし、精神的にもすごく強いし、翔太郎を一途に思い続ける愛の深さといい、もうたまらんですなぁ(笑)とにかくカッコイイ女性です。

 

 で、もちろんこの見た目ですから百舌姉を目当てに会津の偉い方々も治療に来るワケですよ。そんな方々にも鍼とお灸をしてます。

SIDOOH -士道- 8巻 P.147、150

 

 なかなかの見た目ですね。

 

 大きさにしてだいたい親指の先ぐらいの艾(もぐさ)を直接肌に置いて燃やしてます。それをこんだけ同時にやられたらそら熱いですよ。

 

 しかし百舌姉さんは

SIDOOH -士道- 8巻 P.149

 

 と患者の会津の偉い方、遠藤様に言います。

 

 これはね、いろんなお灸のやり方ありますんで一概には言えませんが、現代ではここで描写されてるようなガマンできないぐらいの熱いお灸はほとんどやられてません。熱さを感じたら艾(もぐさ)を取るのが今では一般的です。

 

 しかし一般的なお灸のイメージとしてはまさにここで描写されてる感じのものなんじゃないでしょーか。なので「お灸は熱そう!」というイメージを持たれてる方は多いと思います。

 

 でもですよ、熱くてガマンできんくて取ってほしくても、

SIDOOH -士道- 8巻 P.150

 

 なんて百舌姉に言われちゃったらガマンしちゃいますよ、ええ(笑)

 

 すいません。取り乱しました。

 

 

 で、鍼のやり方の話になりますが、

 

 まず瑠儀が受けてる方。これは刺すとこは描写されてないので鍼管を使ってるのかどーか不明です。

 

 続いて百舌姉さんの方。こちらも刺すとこは描写されてませんが、P.150で横に道具が置かれてますけど、鍼管はなさそうなのでおそらく撚鍼で刺したんではないかと思います。

 

 

 このマンガはとにかくキャラがカッコイイんです。特に翔太郎がまぁカッコイイ!自分の武士としての信念を貫く翔殿はまさに惚れてまうやろー!です(笑)いろんな幕末モノのマンガありますがこれは本当におもしろいです。最後の方はもう「翔どのーーー!!」と叫ばずにはおれません。

 

 今まで紹介した作品に比べれば最近のものなので、手に入りやすいと思います。黄色いカバーが目印です。カバーデザインもまたカッコイイんですよねー。全25巻ですが一気に読めると思います。鍼灸描写は8巻以降出てきませんがぜひ読んでいただきたいです。

 

 

マンガの中の鍼灸 その5 ~親指からロマンス~

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 男っぽいマンガが続いたので、ここらで少女マンガからいきましょう。今回は「親指からロマンス」です。

 

 このマンガは、不陶花学園のマッサージ研究会に所属する東宮千愛を中心とした学園ドタバタラブコメディです。

親指からロマンス 1巻 P.7

 

 まず設定がツッコミどころ満載。マッサージ研究会がまずすごい。導入部分の紹介では、

親指からロマンス 1巻 P.8

 

 こんな感じで紹介されてますが、そもそも高校でこんな部活あって繁盛してるって、この学校の生徒よっぽど疲れてるんやな(笑)

 

 一応この設定については作者の方もコメントや脚注で、

親指からロマンス 1巻 P.59

親指からロマンス 2巻 P.15

 

 と書いてます。

 

 で、この作品では鍼灸の学校に見学に行く回があります。

 

 千愛の兄の師匠である大貫が経営する学校

親指からロマンス 5巻 P.6

 

 総合科はなんだ?全部取れるてことか?それすごいな(笑)

 

 で学内を彷徨う千愛の学校の印象がこんな感じ

親指からロマンス 5巻 P.10

 

 この辺は確かにこんな感じですね。うちも現役生は半分ぐらいですからねぇ。

 

 で、迷子になってる千愛は鍼師の白岩に出会う。そこで鍼の描写が出てきます。

親指からロマンス 5巻 P.52-54

 

 描写が微妙なんですが、鍼管使ってる?撚鍼か?わからん。鍼もディスポーザブル(使い捨て)のものではなさそうです。

 

 あとは浮物通しの描写もあります。

親指からロマンス 5巻 P.42

 

 浮物通しやるぐらいやからやはり撚鍼なんかな?ちなみにあたし浮物通しやったことありません(笑)学校でもやらんかったし。

 

 

 このマンガはマッサージがメインなので鍼はこの回ぐらいしか出てきませんが、経穴の名前はたくさん出てきます。

親指からロマンス 1巻 P.27

 

 経穴の名前はホンマにたくさん出てきます。千愛にはその経穴の部分からツボーズというコリの妖精的なやつが見えるそうな(笑)

 

 

 この作品の作者である椿いづみ先生は、最近ではアニメにもなりました「月刊少女野崎くん」などを描いておられます。しかしこの作品自体はあまり数が出てないのであまり古本屋でも見かけないですね。全9巻ですが、あたしはたまたまブックオフに行ったら全巻100円で揃ってたので運良く買えました。プレミアがついたりしてるワケではないですがなかなか入手困難な作品な気がします。興味のある方は探してみてください。

 

 

マンガの中の鍼灸 その6 ~みけねこ鍼灸院~

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 今回は新しいのいきましょうか。「みけねこ鍼灸院」です。

 

 このマンガは「ゆるゆるねこぱんち」という雑誌で連載されてた作品。なかなか知ってる人は少ないかと思いますが、コンビニで並んでるのを見たことがあるかも?あたしも正直それぐらいのレベルです(笑)ネットで鍼灸が出てくるマンガを探してた時に見つけたのが知るキッカケでした。

 

 で、この作品おもしろいのが、今のところ1巻だけですが作中で鍼灸治療をしてる描写が一度も出てこないてゆーね(笑)そもそも掲載されてる雑誌が猫を題材にした短編マンガを集めたものなので、メインはあくまで猫。舞台が鍼灸院であるというだけです。

 

 しかしそーなるとこのブログの趣旨にそもそもそぐわないやん!てなるんですが、この作品で描かれてることてのはあたし個人的に鍼灸師として非常に理想的な、

 

「鍼灸治療とは、鍼灸師の役割とはこういうことだよ!」

 

ていう内容が描かれてます。

 

 まず主人公の鍼灸師である高良山修一先生とその飼い猫である玉こん

みけねこ鍼灸院 1巻 P.12

 

 玉こんの名前の由来は、背中に玉こんにゃくぽい模様があるからだそうな。

 

 で、治療院である「高良山鍼灸院」

みけねこ鍼灸院 1巻 P.9

 

 待合室のスペースはカフェになっていて、コーヒーやら紅茶やらが飲めるようです。一応施術場所と待合室は分かれてるから法律的にはセーフかな?

みけねこ鍼灸院 1巻 P.10

 

 施術スペースはベッドが1台、衛生面を考えて玉こんは施術スペースは入ってこないようにしつけられてるみたい。エライね玉こん。

 

 道具の感じやとお灸がメインなのかな?たぶんビンに入ってるのは温灸用の粗悪艾ぽいし、細長いのは鍼じゃなくて線香?あんな細いやつやと持ってたら折れるけどね(笑)

 

 そして注目はこの話の患者である奏恵(かなえ)ちゃん中学生。道具見てちょっと怖がってますね。まぁ見ただけでは何に使う道具かわかりませんしね。いきなり親に連れてこられて不安なようですが、それを玉こんが良い感じに癒してくれます。猫すごい(笑)

 

 

 で、本題にいきますと、何が理想的かって、「患者自身に不調の原因に気づいてもらって治す」というとこです。

 

 さきほどの奏恵ちゃんはバレエをやってるんですが、大会が近くて先生や母親からのプレッシャーにより、バレエをやる時だけ腰痛が出る心因性腰痛なんですね。

 

 しかしそれを見抜いた高良山先生は、

みけねこ 鍼灸院 1巻 P.21

 

 と、あまり自分を追い込み過ぎずに気分転換することを奏恵ちゃんにすすめます。

 

 それ以降ちょくちょく鍼灸院に遊びに来るようになった奏恵ちゃんはそれ以来腰痛が出ることはなくなったそうな。めでたしめでたし。

 

 というのが1話です。ホンマに鍼灸の描写ありません(笑)

 

 しかしあたしの考える治療てのは、問診や触診などで話を聴き反応を診ながら、患者自身に身体の変化の原因に気づいてもらい考えてもらい改善してもらう。で、その身体を普通の状態に戻すためのお手伝いというかキッカケを与えてやるのが鍼灸治療だと考えてます。

 

 治すのはあくまで患者さん自身。我々鍼灸師はキッカケを与えてるだけに過ぎないのです。

 

 

みけねこ 鍼灸院 1巻 P.135-136

 

 表紙の帯にもありますが、身体の痛みだけを治すのでは意味がない。心の痛みも治さないといけないんですよ。それが鍼灸師のあるべき姿であると思っています。

 

 

 今回はその6にして趣旨から微妙にズレてる作品を紹介しましたが、まだまだ鍼灸出てくるマンガはいっぱいありますよ!早くもネタ切れとかそんなんではありません。順番はホンマに気分で選んでるので。

 

 この作品は一般の人にももちろん読んでほしいですが、鍼灸師の人達に読んでほしいです。

 

 どうしても日々治療をしてると、患者さんの訴える症状に意識が行き過ぎて、そこにばっかりとらわれ過ぎてそもそもの原因になってる部分を見落としてて症状が改善しない。なんてことによく陥ります。あたしも臨床やってる時にそんな時期がありました。

 

 症状だけじゃなく、その奥にある何かを見つけて治療していろんな指導をしたりすると、全然改善しなかった症状がサラッとなくなった。なんてのはよくあります。

 

 それを気づかせてくれる、再確認させてくれる作品ではないかと思います。なので同業者に読んでほしい。

 

 

 この単行本は2017年2月に出たホントに最近の作品なので、たぶん大きめの本屋さんとか、ネット通販とかで普通に手に入ると思います。

 

 一応あとがきを読むと続く感じで書いてあるんですが、連載してた雑誌が休刊になっちゃってるのでホンマに続くのかはわかりません。作者の胡原おみ先生は系列雑誌「ねこぱんち」で連載をされているので、そちらで復活するかもしれません。それに期待したいです。

 

 

マンガの中の鍼灸 その7 ~コータローまかりとおる!~

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 マンガの中の鍼灸7回目。今回は30代後半以上の昔からのマガジン読みの方にはおなじみ、「コータローまかりとおる!」です。

 

コータローまかりとおる! 1巻 表紙

 

 基本は学園モノのギャグ?いや格闘マンガかな?細かい内容はWiki先生にでも教えてもらってください(笑)連載当時の時事ネタや同時期掲載されてた週刊少年マガジン作品のパロディなどが随所にでてきます。

 

 で、このコータローに鍼とお灸が出てくるワケですが、まぁ描写が非常にマンガチックというか、いかにもな感じです。

 

 まず出てくるのはかなり終盤の55巻。いろいろあって(説明してるとキリがないので割愛(笑))右脚を酷使しすぎてしまったコータロー

コータローまかりとおる! 55巻 P.55

 

 これを中国人キャラの李麗華が治療します。

コータローまかりとおる! 55巻 P.86

 

 麗華ばーちゃんは自分の身体の気を操って若くなったりできます(笑)

 

 鍼刺してる場所はともかく、ちゃんと触診して、局所でなく遠隔治療を用います。すると、

コータローまかりとおる! 55巻 P.87

 

 あんな腫れてた脚がシュッと治っていきます。さすがは4千年(笑)とてもマンガチックです。

 

 で、この後も敵と一戦交えて無茶をしたコータローは、

コータローまかりとおる! 55巻 P.167

 

 頭にしこたま鍼を刺され、しかしそれでも脚がさらに腫れてます。この辺もとてもマンガチック。アルシンドて懐かしい(笑)

んで、

コータローまかりとおる! 55巻 P.178

 

 勝手に鍼抜いたらさらに腫れるてゆーね。さすがは4千年(笑)施術者の言うことは聴いてほしいもんですなぁ(笑)

 

 そして後日、治療を続けましてだいぶ改善してきたコータロー。

コータローまかりとおる! 56巻 P.41

 

 お灸してます。持ってる限りでマンガの中でのお灸の描写は鍼に比べて少ないので貴重です。

 

 この辺でもイメージとして、

「急性期は鍼、慢性期・維持期は灸」

 ていうのがなんとなくあるんでしょうかね?

 

 しかしまぁ基本はギャグマンガなので、

コータローまかりとおる! 56巻 P.45

 

 こーいうお約束も忘れません。マンガチックです(笑)

 

 やはりお灸は熱いイメージなんですねぇ。この辺はまぁ仕方ないかな。

 

 

 他にも格闘マンガでこんな感じで鍼が出てきますが、だいたい中国人キャラが施術するのが多いですね。そんで劇的にケガが治ったり、すげー強くなったりね。まさにベタでマンガチックな表現ですな。 

 

 中で使われてる鍼は鍼管使わず刺してます。最初のは鍼柄(しんぺい:鍼を刺す時に持つところ)がまっすぐですが、頭に刺してたのは丸いマチ針ぽい形でした。

 

 1993~94年頃にこの辺りの話は雑誌掲載されてたんですが、他の作品でもこの時期でもあまり鍼管使われてる描写がない。これのちょい後ぐらいからなんですよね。まぁ麗華ばーちゃんは中国人なのでそもそも鍼管は使わないんかもですけど。鍼管使って刺すようになったのって案外と最近なのかな???

 

 

 というワケで非常にベタでマンガチックな鍼灸の描写がある作品でした。

 

 個人的な話ですが、このコータローを見ると小学校から通ってた耳鼻科の病院を思い出します。待合室に置いてあったのをよく読んでました。中耳炎持ちだったので、プール入ったり、冬場風邪引くと中耳炎になってよく通ってました。今考えると当時の最新刊を読んでたみたいです。懐かしい。

 

 今考えるとこれ読んでたから今でも格闘技好きになったのかなーとかもちょっと思います。人格形成に関わった作品の一つですね。

 

 

 そしてこの作品実はまだ完結してないんですよね。最終章の「コータローまかりとおる!L」は2004年から一応休載という状態です。ちゃんと終わらせるんかな?

 

 入手の具合ですが、単行本のシリーズは1巻とかはかなり古いのでなかなか入手は難しいと思います。引っ越しシーズンに全巻セットでドンとあるかもしれません。あたしもそれで手に入れました。59冊まとめ買いは今んとこ歴代最多ですね。

 

 ワイド版も発売されてるのでそっちの方がまだ入手できるんではないでしょーか。後半の話は最初の方と話がつながってるので最初から読んでないとわからん部分も多いです。

 

 ギャグあり格闘ありお色気あり音楽ありと、読み応えはかなりあります。全シリーズで94巻ですし。普段はバカでスケベでおちゃらけてますが、とにかく強くてやる時はやる、何より一途にヒロインの真由美が大好きなコータローはとてもカッコイイです。

 

 興味がありましたらどうぞ。

 

 

マンガの中の鍼灸 その8 ~てんじんさん -明治鍼灸見立帳-~

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 マンガの中の鍼灸。今日はだいぶ珍しい鍼灸師が主人公のマンガ「てんじんさん -明治鍼灸見立帳-」です。

てんじんさん -明治鍼灸見立帳- 1巻 表紙

 

 WEEKLY漫画アクションで2002~2003年に連載されていた作品。時代は明治の中頃。西洋医学が主流になろうとする時代に、かつて医師としてドイツに渡りそこで西洋医学の限界を知り、その後日本に戻り鍼灸師として町の人達を治療する鍼灸師てんじんさん(竹松)が主人公。

 

 てんじんさんが町の往来で腹痛に苦しむ少年を治療する場面を西洋医学の医者の嫡男である孝太郎が目撃したところから物語が始まります。

てんじんさん -明治鍼灸見立帳- 1巻 P.17,19

 

 お供え物を食べちゃった少年の中脘(ちゅうかん)と足三里に爪楊枝で接触鍼をして治してあげます。

 

 このシーンは2016年に行われました世界鍼灸学会東京大会でも使わせていただきました。

 

 まぁこんな感じでいろいろ事情を抱えた人たちがてんじんさんの元へ現れ、身体も心も治療されていく、痛快ハートウォーミング鍼灸マンガです(笑)

 

 

 作中の治療で使った経穴の解説など場所もしっかりと示してあって、言うちゃあなんですが他の鍼灸が出てくるマンガの描写と比べてかなり的確に描かれてます。

 

 中でもあたしが個人的に好きなやつは、2巻の喘息に対する治療のシーン。

てんじんさん -明治鍼灸見立帳- 2巻 P.218-219

 

 天突にそんな風に刺すの!?すげーなこれ。めっちゃ刺すのコワい。まぁ角度と深さ間違わんかったら大丈夫やけど。て初めて読んだ時思いました。

 

 実際患者さんにはやったことないですけど、この春の時期とかにたまに変な咳がちょいちょい出るんですが、この鍼を刺す感じで自分で天突を胸骨に向けて押すと、咳止まるんですよ。みなさんも咳出たらやってみてください。

 

 しかし、やはりマンガで鍼となるとこーいうシーンもあったり、

てんじんさん  -明治鍼灸見立帳- 1巻 P72-73

 

 こんな感じで人を眠らせちゃったりね。

 

 あと、これは誤植なのかなんなのか?ですが、

てんじんさん  -明治鍼灸見立帳- 2巻 P29

 

 「ダウバーソ」て(笑)

 

 正しくは「ダウバー「ン」」です。

 てか明治の頃にはもうダウバーン症状(徴候)てあったんですかね?

 

 

 てんじんさんで出てくる鍼のやり方は鍼管を使わない撚鍼法です。

てんじんさん  -明治鍼灸見立帳- 1巻 P75

 

 時代的にもまだこっちが主流だったと思います。治療する疾患も、腰痛や食あたり、神経痛やEDなど様々な症状に対して治療をしています。

 

 

 ストーリーの後半は孝太郎が主役です。父が行なう西洋医学とてんじんさんが行なう東洋医学、どちらが正しいのか?自分の医者として進むべき道は何なのか?と悩みながらも前に進む成長記でもあります。

 

 まぁてんじんさんが作中でも言うてますが、洋の東西なんて関係ない、とにかく患者さんが治ればいいんですよ。それぞれ得意な範囲が違うんやし。

 

 自分は鍼灸師としてどうあるべきか?てのを考えさせられるので、若い学生とか鍼灸師なりたての人達に読んでほしいですね。

 

 

 しかしこの作品、全3巻ですが数が少ないようで手に入りにくいようです。あたしはネットで手に入れましたが、中古でもほぼ定価に近い値段でないと手に入らないようですね。タイミングがよかったのか、あたしは3冊780円+送料で手に入れてました。1、3巻は帯付きで状態も悪くないし。良い買い物でした(笑)

 

 古本屋で現物が売ってるのを見かけたのは1回だけですね。秋葉原のブックオフだったと思いますが。

 

 興味がある方は探してみてください。

マンガの中の鍼灸 その9 ~るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-~

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 今回のマンガの中の鍼灸は、久々の有名作品いきましょう。

 

「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-」

 

です。

るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 1巻 表紙

 

 週刊少年ジャンプの90年代後半を代表する作品ですね。今でも根強い人気で、アニメ化もされ、数年前には実写映画版も話題になりました。あたしは観てませんが(笑)

 

 この作品はあたしが初めて自分の小遣いを使って買い始めたマンガです。とても思い入れの強い作品であります。まぁだからこそ実写版は観てないんですけども(笑)

 

 「今まででマンガ読んでて一番衝撃を受けたシーンは何ですか?」て聞かれたら、この作品の、薫さんが縁に殺された(結果的にはそのように偽装されたシーン)と答えます。あれはもう衝撃でした。当時ジャンプで読んでまあまあ大きい声で叫んだのを今でも覚えています。

 

 

 まぁそんなるろ剣の思い出を語り始めるとキリがないので、本題にいきましょう。

 

 この作品に、お灸が1回だけ登場します。8巻です。

るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 8巻 P.153

 

 京都に潜伏する志々雄真実を倒すため、東京を離れた主人公の緋村剣心。そして別れを告げられたが剣心を追って京都へ向かう神谷薫と明神弥彦。その二人を見送り東京に残った医師の高荷恵が、剣心や薫、弥彦を心配して仕事が手につかない様子をお灸を使って描写されてました。

 

 見るべきところは欄外の注釈。

「この頃、鍼灸は医者の治療の一環だった。」というところ。

 

 前回のその8で紹介した「てんじんさん」は明治の中頃。るろ剣は明治11年頃なので時代背景としては近いです。ちなみにこの恵さんは外科手術もやったりしました。東洋医学と西洋医学が混在してる時期だったようですね。

 

 で、この頭のてっぺんにお灸をすえてますが、頭頂部にある「百会(ひゃくえ)」というツボにお灸をするのは実際にありまして、頭痛やボケ防止など様々な効果があるツボとしてよく用いられます。

 

 まぁしかしこんなアホみたいにデカいお灸はすえませんけどね(笑)

 

 当時の時代背景と、治療はしてるけど心ここに在らずという状態を、お灸を使って表現している描写、さらにお灸は熱いというイメージもありきの描写ですね。

 

 

 治療が目的の描写ではないので、ここで採り上げるのはどーなの?という気はしますが、ほんの150年ちょい前までは普通にこんな感じで鍼やお灸がやられてたという、時代の変化を知ることができる1シーンとして意味のあるものかなと思います。

 

 

 るろ剣は現状ではわりと手に入ると思います。単行本、文庫本、完全版など様々な形で発売されて、そのどれもがそれなり売れてますのでね。

 

 ジャンプでの歴史の中では、時期的に幽遊白書が終わったぐらいの頃合いに連載が始まり、女性人気を引き継いだ感じですね。8巻に第1回の人気投票の結果が出てますが、1位の剣心が19476票ですよ。最近のものではあり得ない数字ですよね。まぁ幽白はこんなもんじゃなかったですが(笑)

 

 この頃のジャンプはドラゴンボールの終了を皮切りに人気作品が次々終了し、ピークを過ぎて低迷期に入りますが、この後にテニプリとかリボーンとかが始まって、少年ジャンプが女性人気で維持される時期がしばらく続きます。

 

 その辺も思い出すとなんとも懐かしい。中学生ぐらいの頃ですよ。

 

 

 るろ剣読んでない方は是非読んでほしいです。中盤~後半はかなり作者の趣味が入りまくってますが、全28巻で非常に読み応えのある作品です。最後の縁編はいらんかったとよく言われますが、あれがないと十字傷の謎もわからんままでしたし、あたし的にはあってよかったと思います。

 

 あとアニメも見てほしい。アニメもなかなか賛否両論ありますが、マンガでストーリーを理解した上で、剣心が京都に向かうために薫さんに別れを告げる回は是非見てほしい。当時の地上波の30分アニメのクオリティとは思えない出来栄えです。そこだけでいいから見てほしい(笑)

 

 なんかあんまし鍼灸の話してませんが、興味がある方は是非。

 

 


マンガの中の鍼灸 その10 ~ぼくの体はツーアウト~

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ゴールデンウィークを言い訳に完全にほったらかしてしまいました(笑)

 

なんやかんやでマンガの中の鍼灸のシリーズも2ケタに突入です。今回はこれです。

 

「ぼくの体はツーアウト」

ぼくの体はツーアウト 1巻 表紙

 

「ぼく、オタリーマン」などで知られるよしたに先生が、健康診断を受けて、

「尿酸値」「コレステロール値」が基準値を超え、これで「血糖値」が超えると動脈硬化を起こしやすくなり、最悪死ぬよ!と宣告され、まさに現状ツーアウトな状況を改善すべく、

 

世の中にあるいろんな健康に良いとされるものを実際試してみて、それをマンガにする、

まさに体をはったルポマンガです。

 

 

その中で、3巻では鍼灸治療を受けに行く回があります。

 

まず最初によしたに先生の鍼のイメージが

ぼくの体はツーアウト 3巻 P.94

 

小さい頃母親が受けてた皮内鍼の記憶。ホンマにコレなら確かに鍼すげえ!(笑)

 

枠外に注釈で

「置き針は数ミリしかありません」

とちゃんと書かれてます。そらそーだ。

あの位置であんだけ刺したら余裕で肺まで到達してます。

 

 

そんなワケで鍼灸治療を受けにいくことになったワケですが、

診察を受けていざ施術になるんでけども、、、

ぼくの体はツーアウト 3巻 P.97

 

事前に調べていたよしたに先生は、鍼は痛くないもんだと思って受けて見たら、

思ったより痛かったらしい。

まぁ場所的に「後渓」?なんで切皮痛は確かに出そうなとこではありますが、

ぼくの体はツーアウト 3巻 P.98、101

 

脚とか背部とかでこんなに痛みを感じさせるてのはどーなの?

 

痛みに関しては主観的な部分が大きいのでなんとも言えませんが、

ここまで痛いと思わせるんはどーかなー。

これが切皮痛なのか、鍼の響き感なのかでも意味合いが変わってはくるんですが、

マンガなのである程度は誇張して描いてるとは思うんですけど、

にしてもちょっとこれは印象悪いよなー。

 

そして鍼の刺し方も、最初の手に刺すのは鍼管が描かれてますが、

他の場面では描かれてないので、この辺がちょっと不安定。

まぁ腰とかは刺してるとこは見れないしねぇ。

 

 

あとお灸も受けたみたいで、

ぼくの体はツーアウト 3巻 P.102

 

お灸は熱いけど気持ちよかったようです。

 

んで最後に治療効果はどーだったかというと、

ぼくの体はツーアウト 3巻 P.104

 

ここで刺した時は痛くなかったのかな?(笑)

でも首の可動域が改善して効果を実感できたようです。

 

治療終わった後も、

ぼくの体はツーアウト 3巻 P.105

 

こんな感じで他の人から見ても、首や肩が変化してるのが見て取れたようです。

 

しかしその後

ぼくの体はツーアウト 3巻 P.106

 

1週間後にはだんだん症状が戻ってきてる様子。まぁ実際こんなもんですが、

よしたに先生も

「また行った方がいいんだろうなー」

 

まぁでも、ちょっと次のセリフがリアルなコメントですよね。

 

「針みたいな辛い思いしないで楽になる方法ないかなー」

 

まぁ、あそこまで痛がらせちゃったらなかなかもう一回行こうとは思わんよね。

 

 

こーいう思いをして鍼灸治療を受けなくなっちゃった人はそれなりの割合いると思うんですよね。

だからこそ

「鍼は痛い」

「お灸は熱い」

「効果はあるとは聞くけど、受けたいかと言われたらちょっと...」

 

というイメージが付きまとうんですよね。

 

 

今回のこのよしたに先生の描いたものが

 

「鍼をすげー痛そうに描きやがって!けしからん!!」

 

なんて言う気は毛頭ありません。

 

むしろ、

「鍼灸師のみなさん、これが現実です。」

 

と施術者側に言いたい。

 

2015年の日本マンガ学会でマンガの中の鍼灸について発表した時の考察の部分でも述べたんですが、

マンガで描かれてるものは、我々鍼灸師から見ればあり得ない描写がほとんどでも、

鍼灸の一般的なイメージてのはこんな感じなんですよ。

 

なので、悪いイメージはどーにかして払拭しなくちゃいけない。

 

まだ救いなのは

「効果はある」

と思ってもらえてるところ。

 

施術者はやはり良い面と悪い面、どちらも説明する義務があると思うので、

そこをどう伝えるか。

ネガティブなイメージを、どうポジティブなイメージに置き換えられるか。

 

かといって劇的に変わった!とかやると逆にうさんくさくなるのでほどほどに。

その辺の魅せ方ですね。

 

 

この本は比較的手に入りやすいと思います。新品でも中古でもわりと見つけやすいと思います。

同業の鍼灸師がこれを見てどう思うかが気になるところ。読んでみてほしいねぇ。

 

内容的にもいろんな健康法をよしたに先生の

偏見にまみれた?(笑)独自の視点から描かれているので、

なかなかおもしろいです。

 

興味のある方はぜひ。

 

 

マンガの中の鍼灸 その11 ~わたるがぴゅん!~

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 久々の更新です。別に何があったワケでもなく、ただただしなかっただけ。こーいうのはやり続けてナンボですよねぇ。まだホントに鍼灸出てくるマンガは手持ちにいっぱいあるんでちゃんと紹介していきたいなと思います。

 

 で、今回は今は亡き月刊少年ジャンプで連載されてました「わたるがぴゅん!」です。

わたるがぴゅん! 1巻 表紙

 

 月刊ながら58巻まで連載が続いた長編野球マンガです。

 

 詳しい内容はこちら

 

 で、この作品に鍼が出てくるワケですが、これまたなんとも鍼灸師としてはありえん描写でしてね(笑)

 

 出てくるのは10巻。全国大会予選の準決勝、強豪和泉中との対戦です。

 

 この作品はわたるが投げる魔球的なのが出てくるんですが、その一つが「ハブボール」です。

わたるがぴゅん! 6巻 P.188

わたるがぴゅん! 6巻 P.190

 

 低い球筋から打者の手元でホップするというボールです。

 

 しかしこの魔球、とても体に負担が大きいらしく、準決勝ではこのハブボールを投げ過ぎたことにより、わたるの肩が腫れあがるほどになってしまいます。

わたるがぴゅん! 10巻 P.104

 

 しかしそれでも投げ続けようとするわたるに対し、チームメイトもがんばるんですが、徐々に劣勢に立たされます。

 

 そこに突然現れるのが、試合を観戦に来ていたわたるのおじい。

 

 客席で一緒に観ていたマネージャーの若葉に「針はないか?」と尋ねます。

わたるがぴゅん! 10巻 P.100

 

で、何すんのかな?と思ったら、、、

わたるがぴゅん! 10巻 P.101

 

 シーハーし始めます(笑)そこからトイレに向かうと言いつつわたるのいるベンチへ。

 

 そしてさっきのシーンで、触るフリをして肩に針を刺したようです。

 

いやいやいや、シーハーしたやつを刺したらあかんやろ!!(笑)

 

 で、そのあと肩の痛みなくボールが投げられたことに驚くわたる

 

わたるがぴゅん! 10巻 P.120-122

 

 腫れも引き、その後も痛みが出ることなく投げ続け、見事和泉中に勝利します。

 

 「針さしたままでだいじょうぶなのか?」

 「うん なんともねェや!!」

 

 というセリフがありますが、このあとこの鍼を抜く描写は出てきません。

 

 いやいやいや、刺したまま動かしたら絶対痛いから!!(笑)

 しかもあの位置であそこまで刺してたら確実に関節腔までいってるし!!

 しかもシーハーした鍼先がね!!!(笑)

 

 とまぁこんなあんばいで、鍼灸師からするとなかなかありえない描写でした。

 

 このあと話の中でおじいが鍼をする描写はまったくなく、おじいがそもそも鍼師であるという話も全体を通して一度もありません。かなり長編なわりに、メインストーリーを進めるのがほとんどで、キャラの掘り下げは宮城以外ほとんどなされません。とくにわたるの家族はおじい、おばあを含め謎しか残りません。

 

 で、この描写から見るに、

 

鍼てのは年寄がするものであり、よくわからんけど劇的に効果がある

 

 というイメージが見て取れます。そして

わたるがぴゅん! 11巻 P.71

 

 肩の痛みはなくなったものの、体力は戻ったワケではなく、フラフラになりながらもわたるは投げ続けます。この辺りはまぁ掲載当時の80年代後半ていう時代ですね。今ではここまでさせて投げさせないでしょうから。

 

 この描写からは、

 

鍼は痛みを取るのに効果はあるが、何でも治るワケではない

 

 というイメージがあるのかなーという印象ですね。

 

 

 今になって思えば、マンガに出てくる鍼灸の描写を見たのがこの作品が初めてでした。当時小学3年生ぐらいだと思いますけど。まさかこれを仕事にするなんて想像もしてなかったし、大学入る時も鍼のイメージといえばこのシーンがまず浮かぶぐらいしかなかったしねぇ。

 

 

 で、このわたるがぴゅん!という作品、今となってはなかなか普通には手に入らないんじゃないかなぁ。ブックオフとかでも100円コーナーにもあまり置いてるのを見ませんし。初期の10巻ぐらいとなるとなおのこと数は少ないと思います。

 

 マンガとしてはけっこー好きです。ギャグ要素多めですがしっかり野球してますし、いろいろつじつま合わない部分とか、モブキャラの名前が途中で変わったりとか(笑)そんなのはありますが、細けぇことはいいんだよ!てな力技で持ってく感じがこの時代のマンガぽくて好きです。魔球も握り方がちゃんと描かれてるのでめっちゃ投げてました(笑)もちろんそんな変化にはなりませんでしたが。

 

 興味のある方は探してみてください。

 

 

マンガの中の鍼灸 その6 ~みけねこ鍼灸院~

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 今回は新しいのいきましょうか。「みけねこ鍼灸院」です。

 

 このマンガは「ゆるゆるねこぱんち」という雑誌で連載されてた作品。なかなか知ってる人は少ないかと思いますが、コンビニで並んでるのを見たことがあるかも?あたしも正直それぐらいのレベルです(笑)ネットで鍼灸が出てくるマンガを探してた時に見つけたのが知るキッカケでした。

 

 で、この作品おもしろいのが、今のところ1巻だけですが作中で鍼灸治療をしてる描写が一度も出てこないてゆーね(笑)そもそも掲載されてる雑誌が猫を題材にした短編マンガを集めたものなので、メインはあくまで猫。舞台が鍼灸院であるというだけです。

 

 しかしそーなるとこのブログの趣旨にそもそもそぐわないやん!てなるんですが、この作品で描かれてることてのはあたし個人的に鍼灸師として非常に理想的な、

 

「鍼灸治療とは、鍼灸師の役割とはこういうことだよ!」

 

ていう内容が描かれてます。

 

 まず主人公の鍼灸師である高良山修一先生とその飼い猫である玉こん

みけねこ鍼灸院 1巻 P.12

 

 玉こんの名前の由来は、背中に玉こんにゃくぽい模様があるからだそうな。

 

 で、治療院である「高良山鍼灸院」

みけねこ鍼灸院 1巻 P.9

 

 待合室のスペースはカフェになっていて、コーヒーやら紅茶やらが飲めるようです。一応施術場所と待合室は分かれてるから法律的にはセーフかな?

みけねこ鍼灸院 1巻 P.10

 

 施術スペースはベッドが1台、衛生面を考えて玉こんは施術スペースは入ってこないようにしつけられてるみたい。エライね玉こん。

 

 道具の感じやとお灸がメインなのかな?たぶんビンに入ってるのは温灸用の粗悪艾ぽいし、細長いのは鍼じゃなくて線香?あんな細いやつやと持ってたら折れるけどね(笑)

 

 そして注目はこの話の患者である奏恵(かなえ)ちゃん中学生。道具見てちょっと怖がってますね。まぁ見ただけでは何に使う道具かわかりませんしね。いきなり親に連れてこられて不安なようですが、それを玉こんが良い感じに癒してくれます。猫すごい(笑)

 

 

 で、本題にいきますと、何が理想的かって、「患者自身に不調の原因に気づいてもらって治す」というとこです。

 

 さきほどの奏恵ちゃんはバレエをやってるんですが、大会が近くて先生や母親からのプレッシャーにより、バレエをやる時だけ腰痛が出る心因性腰痛なんですね。

 

 しかしそれを見抜いた高良山先生は、

みけねこ 鍼灸院 1巻 P.21

 

 と、あまり自分を追い込み過ぎずに気分転換することを奏恵ちゃんにすすめます。

 

 それ以降ちょくちょく鍼灸院に遊びに来るようになった奏恵ちゃんはそれ以来腰痛が出ることはなくなったそうな。めでたしめでたし。

 

 というのが1話です。ホンマに鍼灸の描写ありません(笑)

 

 しかしあたしの考える治療てのは、問診や触診などで話を聴き反応を診ながら、患者自身に身体の変化の原因に気づいてもらい考えてもらい改善してもらう。で、その身体を普通の状態に戻すためのお手伝いというかキッカケを与えてやるのが鍼灸治療だと考えてます。

 

 治すのはあくまで患者さん自身。我々鍼灸師はキッカケを与えてるだけに過ぎないのです。

 

 

みけねこ 鍼灸院 1巻 P.135-136

 

 表紙の帯にもありますが、身体の痛みだけを治すのでは意味がない。心の痛みも治さないといけないんですよ。それが鍼灸師のあるべき姿であると思っています。

 

 

 今回はその6にして趣旨から微妙にズレてる作品を紹介しましたが、まだまだ鍼灸出てくるマンガはいっぱいありますよ!早くもネタ切れとかそんなんではありません。順番はホンマに気分で選んでるので。

 

 この作品は一般の人にももちろん読んでほしいですが、鍼灸師の人達に読んでほしいです。

 

 どうしても日々治療をしてると、患者さんの訴える症状に意識が行き過ぎて、そこにばっかりとらわれ過ぎてそもそもの原因になってる部分を見落としてて症状が改善しない。なんてことによく陥ります。あたしも臨床やってる時にそんな時期がありました。

 

 症状だけじゃなく、その奥にある何かを見つけて治療していろんな指導をしたりすると、全然改善しなかった症状がサラッとなくなった。なんてのはよくあります。

 

 それを気づかせてくれる、再確認させてくれる作品ではないかと思います。なので同業者に読んでほしい。

 

 

 この単行本は2017年2月に出たホントに最近の作品なので、たぶん大きめの本屋さんとか、ネット通販とかで普通に手に入ると思います。

 

 一応あとがきを読むと続く感じで書いてあるんですが、連載してた雑誌が休刊になっちゃってるのでホンマに続くのかはわかりません。作者の胡原おみ先生は系列雑誌「ねこぱんち」で連載をされているので、そちらで復活するかもしれません。それに期待したいです。

 

 

マンガの中の鍼灸 その7 ~コータローまかりとおる!~

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 マンガの中の鍼灸7回目。今回は30代後半以上の昔からのマガジン読みの方にはおなじみ、「コータローまかりとおる!」です。

 

コータローまかりとおる! 1巻 表紙

 

 基本は学園モノのギャグ?いや格闘マンガかな?細かい内容はWiki先生にでも教えてもらってください(笑)連載当時の時事ネタや同時期掲載されてた週刊少年マガジン作品のパロディなどが随所にでてきます。

 

 で、このコータローに鍼とお灸が出てくるワケですが、まぁ描写が非常にマンガチックというか、いかにもな感じです。

 

 まず出てくるのはかなり終盤の55巻。いろいろあって(説明してるとキリがないので割愛(笑))右脚を酷使しすぎてしまったコータロー

コータローまかりとおる! 55巻 P.55

 

 これを中国人キャラの李麗華が治療します。

コータローまかりとおる! 55巻 P.86

 

 麗華ばーちゃんは自分の身体の気を操って若くなったりできます(笑)

 

 鍼刺してる場所はともかく、ちゃんと触診して、局所でなく遠隔治療を用います。すると、

コータローまかりとおる! 55巻 P.87

 

 あんな腫れてた脚がシュッと治っていきます。さすがは4千年(笑)とてもマンガチックです。

 

 で、この後も敵と一戦交えて無茶をしたコータローは、

コータローまかりとおる! 55巻 P.167

 

 頭にしこたま鍼を刺され、しかしそれでも脚がさらに腫れてます。この辺もとてもマンガチック。アルシンドて懐かしい(笑)

んで、

コータローまかりとおる! 55巻 P.178

 

 勝手に鍼抜いたらさらに腫れるてゆーね。さすがは4千年(笑)施術者の言うことは聴いてほしいもんですなぁ(笑)

 

 そして後日、治療を続けましてだいぶ改善してきたコータロー。

コータローまかりとおる! 56巻 P.41

 

 お灸してます。持ってる限りでマンガの中でのお灸の描写は鍼に比べて少ないので貴重です。

 

 この辺でもイメージとして、

「急性期は鍼、慢性期・維持期は灸」

 ていうのがなんとなくあるんでしょうかね?

 

 しかしまぁ基本はギャグマンガなので、

コータローまかりとおる! 56巻 P.45

 

 こーいうお約束も忘れません。マンガチックです(笑)

 

 やはりお灸は熱いイメージなんですねぇ。この辺はまぁ仕方ないかな。

 

 

 他にも格闘マンガでこんな感じで鍼が出てきますが、だいたい中国人キャラが施術するのが多いですね。そんで劇的にケガが治ったり、すげー強くなったりね。まさにベタでマンガチックな表現ですな。 

 

 中で使われてる鍼は鍼管使わず刺してます。最初のは鍼柄(しんぺい:鍼を刺す時に持つところ)がまっすぐですが、頭に刺してたのは丸いマチ針ぽい形でした。

 

 1993~94年頃にこの辺りの話は雑誌掲載されてたんですが、他の作品でもこの時期でもあまり鍼管使われてる描写がない。これのちょい後ぐらいからなんですよね。まぁ麗華ばーちゃんは中国人なのでそもそも鍼管は使わないんかもですけど。鍼管使って刺すようになったのって案外と最近なのかな???

 

 

 というワケで非常にベタでマンガチックな鍼灸の描写がある作品でした。

 

 個人的な話ですが、このコータローを見ると小学校から通ってた耳鼻科の病院を思い出します。待合室に置いてあったのをよく読んでました。中耳炎持ちだったので、プール入ったり、冬場風邪引くと中耳炎になってよく通ってました。今考えると当時の最新刊を読んでたみたいです。懐かしい。

 

 今考えるとこれ読んでたから今でも格闘技好きになったのかなーとかもちょっと思います。人格形成に関わった作品の一つですね。

 

 

 そしてこの作品実はまだ完結してないんですよね。最終章の「コータローまかりとおる!L」は2004年から一応休載という状態です。ちゃんと終わらせるんかな?

 

 入手の具合ですが、単行本のシリーズは1巻とかはかなり古いのでなかなか入手は難しいと思います。引っ越しシーズンに全巻セットでドンとあるかもしれません。あたしもそれで手に入れました。59冊まとめ買いは今んとこ歴代最多ですね。

 

 ワイド版も発売されてるのでそっちの方がまだ入手できるんではないでしょーか。後半の話は最初の方と話がつながってるので最初から読んでないとわからん部分も多いです。

 

 ギャグあり格闘ありお色気あり音楽ありと、読み応えはかなりあります。全シリーズで94巻ですし。普段はバカでスケベでおちゃらけてますが、とにかく強くてやる時はやる、何より一途にヒロインの真由美が大好きなコータローはとてもカッコイイです。

 

 興味がありましたらどうぞ。

 

 

マンガの中の鍼灸 その8 ~てんじんさん -明治鍼灸見立帳-~

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 マンガの中の鍼灸。今日はだいぶ珍しい鍼灸師が主人公のマンガ「てんじんさん -明治鍼灸見立帳-」です。

てんじんさん -明治鍼灸見立帳- 1巻 表紙

 

 WEEKLY漫画アクションで2002~2003年に連載されていた作品。時代は明治の中頃。西洋医学が主流になろうとする時代に、かつて医師としてドイツに渡りそこで西洋医学の限界を知り、その後日本に戻り鍼灸師として町の人達を治療する鍼灸師てんじんさん(竹松)が主人公。

 

 てんじんさんが町の往来で腹痛に苦しむ少年を治療する場面を西洋医学の医者の嫡男である孝太郎が目撃したところから物語が始まります。

てんじんさん -明治鍼灸見立帳- 1巻 P.17,19

 

 お供え物を食べちゃった少年の中脘(ちゅうかん)と足三里に爪楊枝で接触鍼をして治してあげます。

 

 このシーンは2016年に行われました世界鍼灸学会東京大会でも使わせていただきました。

 

 まぁこんな感じでいろいろ事情を抱えた人たちがてんじんさんの元へ現れ、身体も心も治療されていく、痛快ハートウォーミング鍼灸マンガです(笑)

 

 

 作中の治療で使った経穴の解説など場所もしっかりと示してあって、言うちゃあなんですが他の鍼灸が出てくるマンガの描写と比べてかなり的確に描かれてます。

 

 中でもあたしが個人的に好きなやつは、2巻の喘息に対する治療のシーン。

てんじんさん -明治鍼灸見立帳- 2巻 P.218-219

 

 天突にそんな風に刺すの!?すげーなこれ。めっちゃ刺すのコワい。まぁ角度と深さ間違わんかったら大丈夫やけど。て初めて読んだ時思いました。

 

 実際患者さんにはやったことないですけど、この春の時期とかにたまに変な咳がちょいちょい出るんですが、この鍼を刺す感じで自分で天突を胸骨に向けて押すと、咳止まるんですよ。みなさんも咳出たらやってみてください。

 

 しかし、やはりマンガで鍼となるとこーいうシーンもあったり、

てんじんさん  -明治鍼灸見立帳- 1巻 P72-73

 

 こんな感じで人を眠らせちゃったりね。

 

 あと、これは誤植なのかなんなのか?ですが、

てんじんさん  -明治鍼灸見立帳- 2巻 P29

 

 「ダウバーソ」て(笑)

 

 正しくは「ダウバー「ン」」です。

 てか明治の頃にはもうダウバーン症状(徴候)てあったんですかね?

 

 

 てんじんさんで出てくる鍼のやり方は鍼管を使わない撚鍼法です。

てんじんさん  -明治鍼灸見立帳- 1巻 P75

 

 時代的にもまだこっちが主流だったと思います。治療する疾患も、腰痛や食あたり、神経痛やEDなど様々な症状に対して治療をしています。

 

 

 ストーリーの後半は孝太郎が主役です。父が行なう西洋医学とてんじんさんが行なう東洋医学、どちらが正しいのか?自分の医者として進むべき道は何なのか?と悩みながらも前に進む成長記でもあります。

 

 まぁてんじんさんが作中でも言うてますが、洋の東西なんて関係ない、とにかく患者さんが治ればいいんですよ。それぞれ得意な範囲が違うんやし。

 

 自分は鍼灸師としてどうあるべきか?てのを考えさせられるので、若い学生とか鍼灸師なりたての人達に読んでほしいですね。

 

 

 しかしこの作品、全3巻ですが数が少ないようで手に入りにくいようです。あたしはネットで手に入れましたが、中古でもほぼ定価に近い値段でないと手に入らないようですね。タイミングがよかったのか、あたしは3冊780円+送料で手に入れてました。1、3巻は帯付きで状態も悪くないし。良い買い物でした(笑)

 

 古本屋で現物が売ってるのを見かけたのは1回だけですね。秋葉原のブックオフだったと思いますが。

 

 興味がある方は探してみてください。

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