Quantcast
Channel: もぎすのブログ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 823

マンガの中の鍼灸 その9 ~るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-~

$
0
0

 今回のマンガの中の鍼灸は、久々の有名作品いきましょう。

 

「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-」

 

です。

るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 1巻 表紙

 

 週刊少年ジャンプの90年代後半を代表する作品ですね。今でも根強い人気で、アニメ化もされ、数年前には実写映画版も話題になりました。あたしは観てませんが(笑)

 

 この作品はあたしが初めて自分の小遣いを使って買い始めたマンガです。とても思い入れの強い作品であります。まぁだからこそ実写版は観てないんですけども(笑)

 

 「今まででマンガ読んでて一番衝撃を受けたシーンは何ですか?」て聞かれたら、この作品の、薫さんが縁に殺された(結果的にはそのように偽装されたシーン)と答えます。あれはもう衝撃でした。当時ジャンプで読んでまあまあ大きい声で叫んだのを今でも覚えています。

 

 

 まぁそんなるろ剣の思い出を語り始めるとキリがないので、本題にいきましょう。

 

 この作品に、お灸が1回だけ登場します。8巻です。

るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 8巻 P.153

 

 京都に潜伏する志々雄真実を倒すため、東京を離れた主人公の緋村剣心。そして別れを告げられたが剣心を追って京都へ向かう神谷薫と明神弥彦。その二人を見送り東京に残った医師の高荷恵が、剣心や薫、弥彦を心配して仕事が手につかない様子をお灸を使って描写されてました。

 

 見るべきところは欄外の注釈。

「この頃、鍼灸は医者の治療の一環だった。」というところ。

 

 前回のその8で紹介した「てんじんさん」は明治の中頃。るろ剣は明治11年頃なので時代背景としては近いです。ちなみにこの恵さんは外科手術もやったりしました。東洋医学と西洋医学が混在してる時期だったようですね。

 

 で、この頭のてっぺんにお灸をすえてますが、頭頂部にある「百会(ひゃくえ)」というツボにお灸をするのは実際にありまして、頭痛やボケ防止など様々な効果があるツボとしてよく用いられます。

 

 まぁしかしこんなアホみたいにデカいお灸はすえませんけどね(笑)

 

 当時の時代背景と、治療はしてるけど心ここに在らずという状態を、お灸を使って表現している描写、さらにお灸は熱いというイメージもありきの描写ですね。

 

 

 治療が目的の描写ではないので、ここで採り上げるのはどーなの?という気はしますが、ほんの150年ちょい前までは普通にこんな感じで鍼やお灸がやられてたという、時代の変化を知ることができる1シーンとして意味のあるものかなと思います。

 

 

 るろ剣は現状ではわりと手に入ると思います。単行本、文庫本、完全版など様々な形で発売されて、そのどれもがそれなり売れてますのでね。

 

 ジャンプでの歴史の中では、時期的に幽遊白書が終わったぐらいの頃合いに連載が始まり、女性人気を引き継いだ感じですね。8巻に第1回の人気投票の結果が出てますが、1位の剣心が19476票ですよ。最近のものではあり得ない数字ですよね。まぁ幽白はこんなもんじゃなかったですが(笑)

 

 この頃のジャンプはドラゴンボールの終了を皮切りに人気作品が次々終了し、ピークを過ぎて低迷期に入りますが、この後にテニプリとかリボーンとかが始まって、少年ジャンプが女性人気で維持される時期がしばらく続きます。

 

 その辺も思い出すとなんとも懐かしい。中学生ぐらいの頃ですよ。

 

 

 るろ剣読んでない方は是非読んでほしいです。中盤~後半はかなり作者の趣味が入りまくってますが、全28巻で非常に読み応えのある作品です。最後の縁編はいらんかったとよく言われますが、あれがないと十字傷の謎もわからんままでしたし、あたし的にはあってよかったと思います。

 

 あとアニメも見てほしい。アニメもなかなか賛否両論ありますが、マンガでストーリーを理解した上で、剣心が京都に向かうために薫さんに別れを告げる回は是非見てほしい。当時の地上波の30分アニメのクオリティとは思えない出来栄えです。そこだけでいいから見てほしい(笑)

 

 なんかあんまし鍼灸の話してませんが、興味がある方は是非。

 

 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 823

Trending Articles